「医療ソーシャルワーカーって 何だろう?」とちょっとこのページを見てくださった皆さん、病気をなさって困ったことがありますか?
元気でいつもいられることは、とても幸せなことです。(なかなか 自覚は難しいですが)病気にならなければ、今 問題の医療保険も介護保険も高いものではありません。しかし、病気をすることで、毎日の普通の生活に支障がきてしまいます。
そんな時が、私たち、医療ソーシャルワーカー(以下MSW)の出番です。
私たちMSWが最も考えなければならないのは、病気になり、体も心も弱った人たちが回復する過程、また、治らなくてもうまく病気と付き合う方法を学び、生き方を取り戻していく過程、さらに、老いや深刻な病状の中で死を受け入れていく過程、その様々なあり方に、そっと、寄り添って社会的な視野に立って、生活を取り戻すために、お手伝いができるかということです。
しかし、医療を取り巻く状況は厳しく、MSWは複数配置が増えているものの一人配置も多く、毎日、続く残業の中で精神的にも体力的にも大きなストレスを抱えて働いているのが現状です。そして、現場を振り返ると、医療の機能分化が進み、所属する病院に拠って、求められる業務が変化します。急性期病院(地域の救急を受けているような大きな病院)の在院期間は13日から17日くらいまで短縮され、1つの病院で完結しない医療となっています。ここでは、病院が役割分担をして診療内容を提示し、患者さんに理解や納得してもらえるように説明をし、転院、施設入所、在宅を適正に進めていくことが重要となります。もう一つ、大きな役割は、治療を受けられない、保険証がないという経済的問題を抱えた人が、治療を受けることに困難をきたして訪れてきます。そして、回復期病院は、リハビリと在宅療養計画を同時に進めていくことが求められ、療養型病院は、介護療養病床13万床の廃止、医療病床25万床を15万床に削減する厚労省の方針で、医療と施設の狭間で大きな転換期を迎えている現状です。そして、老人保健施設の相談員は、本来 家庭復帰を目指す施設でありながら、介護保険と医療保険の狭間の中で揺れ動いています。
行き場を、なくす患者さんがないように、患者の立場と現実の医療状況を見つめながら、地域連携の要としてMSWの役割が大きく求められるようになっています。厳しい医療環境の中で、「私たちの仕事は、患者さんの立場で生活を考えること」と言い聞かせ、そして、悩みながら試行錯誤を続けています。
今後、病院と病院、地域の福祉施設、介護保険事業所などを含めて、緊密な連携をとっていかないと入院しても安心できないシステムになるため、地域医療を受けるマネージメントの役割が病院からも患者さんが側からも求められ、より、重要な仕事になります。
また、協会活動として、MSWの資質向上に重点をおいた研修を継続しています。さらに、昨年度から、三重県国際交流財団と共催をさせていただき、三重県で増加する外国人の方の医療の保障を求めて研修会を共にさせていただいております。140名くらいの若い集団ですが、「何とか、医療の中で患者さんの生活を守りたい、役に立ちたい」という熱い想いを持ち、活動をしています。
ぜひ、私たちの仕事のご理解を頂き、病気になっても誰でも安心して、生活が継続できる当たり前を目指して、共に考えていくために、少し、あなたのお時間をください。
三重県医療ソーシャルワーカー協会
会長 畑中 寿美
1954(昭和29)年4月8日に三重県医療社会事業協会として発足。
当時の厚生省は、GHQの指令で、日赤病院、済生会病院、国立療養所、A級保健所に対し医療社会事業に積極的に取り組むように指導した。
医療社会事業の事務局を三重県衛生部医務課に置き、県内の公衆衛生並びに社会保障の向上を図る目的をもち、施設単位で構成。役職者は保健所長や病院長が着任。初代会長は山田赤十字病院の服部達太郎先生が就任。
医療社会事業の調査研究並びに普及啓発、関係機関との連絡協調、会員の教育及び専門技術の向上、その他を目的として事業を展開。また、日本医療社会事業協会三重県支部を兼ねた。研修会等、MSWとPSWの区別なく、故吉田正吉(三重大学教授心理学)等を助言者として迎え、主に症例検討会を開催。当初は結核患者や貧困世帯の症例が多く見られた。
協会発足当初のしおり→
1980(昭和55)年、医療機関のMSW個人を会員とする純粋な職能団体として会員の資質向上を目的とした定期的研修会を再開(MSWとして初代会長である西川健氏を中心とする5名程度の有志による再出発となった。再開に関しては、愛知県協会並びに岐阜県協会に指導・助言を得る)。
1982年(昭和57)年三重県医療ソーシャルワーカー協会に名称を変更する。
1985(昭和60)年、県内の社会資源について市町村別実態調査を実施し、「在宅療養をすこやかに」「すぐに役立つ保健医療福祉サービス」等の情報誌を発行。
1994(平成6)年、医療ソーシャルワーカーのPRと地域貢献を目的として巡回医療相談会を開催。
2001(平成13)年、さらに地域住民の福祉の向上と利用者主体の医療福祉を目指して第1回三重県医療ソーシャルワーカー協会大会を開催。現在に至る。